「ゴールデンクロス」のシグナルを使って資産を増やすには?
本記事は、有名なテクニカル分析のシグナルである「ゴールデンクロス」に着目し、「ゴールデンクロス」を使って資産を増やすためにはどうすればいいかを分析しています。
使用するデータなどは、前回の記事が元になっているので、先に前の記事に目を通していただくことをおすすめします。
前の記事
【データから検証】「ゴールデンクロス」は、本当に買いのシグナルなのか?
ゴールデンクロスで勝てる銘柄の条件
「ゴールデンクロス」は移動平均を使ったシグナルです。まずは定性的に、勝てる値動きのパターンを考えてみます。「ゴールデンクロス」は、いわゆる順張りのシグナルです、順張りとは、値上がりを期待して、買いでエントリーすることを言います。順張りで勝つには、株価の値上がりが必須となります。一方で、「ゴールデンクロス」は短期の移動平均線(例えば5日)が、中期の移動平均線(例えば25日)を上回った時にシグナルを出します。このことが意味するのは、短期的には株価が下がっている、ということです。つまり、「ゴールデンクロス」で勝てる銘柄の条件は、中長期的に見て株価の値上がりが見込めるが、短期的には株価が下がっている銘柄、ということになります。
ゴールデンクロスで勝てる銘柄の条件
- 中長期的に見て株価の値上がりが見込める
- 短期的には株価が下がっている
具体例を以下に挙げます。売買の条件は、前回記事の通りです。例に挙げている4613_関西ペイントは、2017年に7回シグナルを出し(☆印)、7回とも値上がりして、勝率100%の銘柄です。年間を通して見ると、株価は右肩上がりで、上記1の条件を満たしています。また、シグナルを出す少し前から株価は調整局面に入っていて、値下がりしており、上がり鼻にシグナルが出ていることがわかります。
分析した期間で勝率100%の銘柄は、他にも60銘柄ほどありました。ゴールデンクロスは、中長期的に値上がりする銘柄で有効なシグナルなので、勝てる(過去に勝っている)銘柄を見つけてしまえば勝ちやすい、という特徴があります。
ゴールデンクロスで勝てない銘柄の条件
せっかくなので、ゴールデンクロスで勝てない銘柄の条件もご紹介します。勝てる銘柄の条件は前項で記載したので、その逆を考えると勝てない銘柄となります。つまり、中長期的に見て値上がりしていない銘柄です。
例に挙げている8530_中京銀行は、期間中16回もシグナルを出していますが、上がったのは6回のみで、勝率は37.5%です。年間の値動きに着目すると、ほぼヨコヨコということがわかります。
この他にも、短期的に株価が高騰・暴落した銘柄も、勝率は高くならない傾向となります。
ゴールデンクロスを使って資産を増やすための基本方針
以上より、ゴールデンクロスを使って資産を増やすための基本方針は以下のようになります。
前回の記事に記載していますが、基本的には数多くの売買を実施して、統計的な期待値をプラスにするもとを目指した運用手法となります。ストップロスなど、実運用における資金管理のテクニックについては、本記事では省略します。
ゴールデンクロスを使って資産を増やすための基本方針
- ゴールデンクロスが発生した銘柄を毎日チェック
- 中長期的に値上がりしていて、最近のゴールデンクロスの勝率が高い銘柄をピックアップ
(自分なりのスクリーニング条件を考えることが重要です) - 上記銘柄を次の日にエントリー
- エントリーした銘柄は、10営業日後に決済
上記の流れであれば、人手でも運用できるかと思います。また、プログラミングが得意な方は気づいている方も多いと思いますが、1,2のスクリーニング(銘柄の絞り込み)はほぼ自動化が可能です。本サイトでも、定期的にオススメ銘柄を発信できるように目下準備中です。プログラミングが得意な方は、ご自身でチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?
次回の記事では、「スクリーニング」の観点について、もう少し踏み込みたいと思います。